【シンガポールの中国語】「シンガポール政府の電子ウォレットGovWallet」を深堀した

経済・デジタル

シンガポールのニュースで電子決済の話題がよく取り上げられます。

シンガポールはデジタル先進国ですが、政府・個人間での電子決済「GovWallet」の普及については推進・拡大中のようです。

シンガポール政府も補助金、手当、奨励金を「GovWallet」で配りメリットをアピールしています。

また政府のヘルスケアプログラムで貯めたポイントは「GovWallet」を使うとそのままプログラムに参加しているホーカーズでの支払いにも使えるそうです。

ホーカーズで使える…シンガポールでの殺し文句ですね。

GovWallet(政府電子ウォレット)とは

シンガポール政府機関のウェブサイトhttps://www.wallet.gov.sg/に詳細がありました。

GovWalletとは、シンガポール政府の支払いを管理するためのウォレット(財布)
つまり日本のマイナカードが目指す先のもののようです。
カードではなく、スマホを使用しているようです。

2022年12月現在は「ライフSG(LifeSG)」「シングパス(Singpass)」「ライフSG(LifeSG)」「ヘルシー365(Healthy 365)」という各官庁のアプリなどとも紐づけできます。

銀行ATMにも紐づけできます。

本日の動画にも出てきますが銀行口座に紐づけしなくても、ATMから補助金を受け取れます

シングパス(Singpass)

シングパス(Singpass)はデジタルIDです。
日本で言う「マイナンバー」そのものです。

シングパスは以下のものと紐づけできます。
NS:National Serviceは、国家奉仕つまり徴兵・軍役のことです)
・NS55認識パッケージ(NS55 Recognition Package)
・NS優秀賞(NS Excellence Award)
・NSお祝いギフト(NS Celebratory Gifts)
・NSホームアワード(NS HOME Awards)

ライフSG(LifeSG)

出産から死別までの手続きができるアプリです。
例えると「市役所」アプリでしょうか。
申請だけでなく、通知が来たり、ガイダンスがあったり、相談予約や問合せ窓口の機能があります。

結婚、妊娠、出産、育児、小学校入学などに関わるアプリです。
シンガポールっぽいものとして「乳母の雇用」「住み込みの家事手伝いの雇用」に関するガイダンスがありました!

ライフSGもNS関連(軍役)のものや、政府キャッシュ(GovCash)に紐づけできます。

ヘルシー365(Healthy365)

・シンガポールの健康促進委員会 (HPB) のアプリ
・ユーザーの毎日の歩数やエクササイズの時間を記録できる
・アプリで「健康プログラム」に参加して実績に応じてヘルスポイントを獲得できる
・アプリで参加パートナーからヘルシーな食事、飲み物、食料品を購入するとヘルスポイントを獲得できる

シンガポールでも生活習慣病や鬱などが増加しています。

健康増進のために、決められた運動したりヘルシーな食品を買うとポイントが貯まります。

「GovWallet」に紐づけすることでポイントでプログラム参加のホーカーズの支払いができるようになります。

今日の動画にも実例が出てきます。

ATMでの出金(GovCash(政府キャッシュ))

・GovCash(政府キャッシュ)は政府からの給付金を現金で引き出すことができる
華僑銀行(OCBC)ATM現金で引き出すことができる
・華僑銀行(OCBC)に口座がなくても可能

動画:GovWallet:政府電子ウォレット

8world 晨光第一线 | GovWallet政府电子钱包的便利和局限 2022/12/19

動画の要約

「GovWallet」はバックエンド・システム
「ライフSGアプリ」「シンガパスアプリ」「ヘルシー365アプリ」「GovCash」はフロントエンド・システム

「GovWallet(政府電子ウォレット)」の実例

「ヘルシー365アプリ」を使いトレーニング等をすると《健康ポイント》がもらえ「GovWallet」機能で加盟店(ホーカーズでも)で直接支払いができるようになった

「GovCash(政府キャッシュ)」の実例

以前は公的積立金局(CPF)の公的補助は小切手で郵送されたものを換金する必要があったが、現在は「GovCash」を利用して銀行口座がなくてもATMで顔認証して直接補助金を受け取れる

動画の内容

電子ウォレットの普及により、日常生活の多くの取引がキャッシュレス化されています。

政府部門によって発行されたさまざまな補助金や奨励金も電子ウォレットで受け取れますし、QRコードをスキャンして支払いにも使えます。

科学技術局が開発した「GovWallet政府電子ウォレット機能」は、そんな便利なバックエンド技術です。

この技術は2021年3月に開始されて以来、5つの政府機関によって採用されておりユーザー数も130万人に達しています。(注:外務省によると2020年度のシンガポールの人口は約569万人(うちシンガポール人・永住者は404万人))

ヘルシー365アプリのポイントを「GovWallet」で使う実例

黄碧華さん(お客さん)「ご飯少なめで干しエビなしのレイチャお願いします。 このQRコードで決裁できますか?」

今年の4月シンガポール保健進歩委員会の「ヘルシー365アプリ」はキャッシュレス決済機能を開始しました。ユーザーが貯めた《健康ポイント》を電子通貨に交換できます。

ユーザーは参加レストランを訪れたときに、加盟店のQRコードをスキャンするだけで食事の支払いを行うことができます。

黄丕祥さん(屋台オーナー)「《健康ポイント》を商品券に交換して日用品を購入していましたが、《健康ポイント》の別の使い方として、多くの人が商品券と交換せずに直接ホーカーセンターの決済に使っていることに気づきました」

黄碧華さん「以前は《ポイント》を商品券に交換してスーパーで食料品購入に使っていました。ホーカーセンターに直接決裁できるアプリがあるらしいので使ってみたらとても便利でした。最初は使い方が全然わからなかったので詳しい人に使い方を教えてもらいました」

電子マネーを交換する手順を簡素化できれば、より多くの高齢者が電子マネーを利用するようになると、黄碧華さんは思っています。

ユーザーが自分の《ポイント》を通貨の支払いに交換するこの機能は健康増進委員会・星展銀行(DBS)・政府技術庁・Starnet e-Paymentsの間の共同プロジェクトです。

現在800を超える地元のホーカーセンターの屋台がこのサービスに参加しています。

黄丕祥さんの屋台では毎週20人以上の人が「ヘルシー365アプリ」を使用して支払をしています。

33歳の黄丕祥さんはレイチャ屋台の2代目のオーナーです。家業に入る前は空軍に8年間勤務していました。彼はスポーツ好きなので2018年からトレーニングの際に「ヘルシー365アプリ」を使っています。

黄丕祥さん「私は《健康ポイント》を貯めるために1日約30~45分運動しています。「ヘルシー365アプリ」から歩数や運動した時間も確認できます。運動してもらった《ポイント》を商品券に交換して食料品の購入に使用できます」

「GovWallet」はコロナ禍に開発された物資配布アプリを改造したもの

《健康ポイント》を電子マネーに変換するバックエンド技術は「GovWallet(政府電子ウォレット機能)」と呼ばれています。

その前身であるSupplyAllyはコロナ禍の物資配布のために開発されたアプリでした。

その後、政府科学技術局は3~4か月かけて政府部門が補助金を配布するのを支援する「GovWallet」に仕様を変更しました。

実用する前に政府の科学技術局は150人の職員でソフトウェアをテストして使用しました。

政府デジタル サービス担当副局長「仕様を変更後、最初に「GovWallet」をテスト使用したのは昨年3月で、政府の科学技術局が職員にボーナスを支給したときでした」

内部テストが成功した後、政府科学技術局は「GovWallet」を他の政府部門にも導入しました。新しいプラットフォームがさまざまな部門の補助金配布を簡素化することを期待しています。

副局長「過去1年半にわたりEPF・国防省・内務省・健康増進委員会など様々な政府部門と協力してきました。「GovWallet」はバックエンド・システムです。 実際さまざまなフロントエンド・システムと簡単に組み合わせることができます。たとえば「ライフSGアプリ」「シンガパスアプリ」「ヘルシー365アプリ」と統合しています」

従来、政府は現金、為替証書、小切手など様々な方法で補助金を分配していました。

ただ、これらの方法には独自の制限があります。たとえばクーポンを受け取った受益者は指定された加盟店でのみ使用できますが、お金を受け取るのにも時間がかかります。

「GovWallet」は利用者や加盟店が政府の補助金を柔軟に使用できるようにしました。

副局長「民間の電子ウォレットと同じですが、「GovWallet」は政府が補助金を配布するため専用につくったので、受益者が現金で補助金を便利に受け取れるようにしました」

「GovWallet」をより便利に使用するために政府科学技術局は、PayNowのスキャンおよび支払い機能と、星網電子の支払いシステムを接続しました。
★PayNow:シンガポールの銀行協会のリアルタイム決済システム

副局長「PayNowまたは星網電子決済会社のQPコードを受け入れる店舗であれば、簡単に支払うことができます」

「GovWallet」を作成する上での最大の課題はQRコードの論理設計を行うことでした。

副局長「さまざまなQRコードがありますが、PayNowと星網電子決済のQRコード取引のみが認識されるようになっています」

「GovCash(政府キャッシュ)」機能を開始

「GovWallet」の技術がますます高度化するため、政府科学技術局は公的積立金局(CPF)および 華僑銀行(OCBC)と協力して、昨年 11 月に「GovCash(政府キャッシュ)」機能を開始しました。

この「GovCash(政府キャッシュ)」機能により、銀行口座を持たない受益者は銀行の500台のATMから現金を引き出すことができ、小切手を換金するために銀行に行く必要がなくなります。

ATMにはシンガパス(Singpass)の顔認証機能があり、認証すれば現金を引き出すことができるため、受益者は華僑銀行(OCBC)の顧客である必要はありません。

副局長「「GovCash(政府キャッシュ)」は、「GovWallet」のプラットフォーム上に構築されており、銀行口座を持たない一部の受給者が指定されたATMに行って現金補助金を受け取ることができます」

「GovCash(政府キャッシュ)」の実例

41歳の顔恵黎さんは雇用所得支援制度の受益者です。2015 年から公的積立金局(CPF)の補助金を受給しています。

顔恵黎さん「以前は毎月中旬に公的積立金局(CPF)から小切手を受け取って換金していました。時々小切手が届かなかったらとか、郵便局がなくしたらどうしようと心配することがありました」

顔恵黎さんは、現在「GovCash」を利用してATMで直接補助金を受け取るだけでなく、PayNowで公的積立金局(CPF)から補助金を受け取っています。

顔恵黎「PayNowだけで補助金をうけとっています。月に一回ですし銀行窓口に行く手間もありません」

公的積立金局(CPF)は昨年11月以降、小切手を「GovCash」に置き換えました。 6200人以上の就業補助プログラムの受益者に補助金を提供し、約4万人がこの機能を通じて公的積立金局(CPF)が発行するさまざまな補助金を受け取りました。

動画の語句

出典・引用・参考

YouTube:8world/8视界

©音読さん
pixabay

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